限定告知型医療保険とは?持病のある人が知りたい保険選びのポイント

この記事はこんな方へおすすめ!
  • 持病があっても入れる保険を探している方
  • 限定告知型医療保険の特徴を知りたい方
  • 限定告知型医療保険への加入を検討している方
まずは結論から!記事の要点をざっくり解説
  • 持病があっても入れる医療保険は「告知義務」「保障範囲」「保険料」をチェック
  • 限定告知型医療保険は告知義務が少ない分、保険料は割高
  • 持病がある人の医療保険選びは順番が大切!まずは通常の医療保険から検討しよう

こんにちは!ファイナンシャル・プランナーの長谷部敦子です。

最近では、「持病があっても入れる医療保険」も増えてきたものの、

「通常の医療保険との違いがわからず、自分に合った保険選びができない」

というお声も耳にします。

今回はそんなお悩みに応えるべく、家計相談歴8年以上のファイナンシャル・プランナーが、持病をお持ちの方でも入れる医療保険についてお伝えします。

長谷部 敦子

病気を経験したからこそ実感する医療保険の大切さ。あなたにぴったりの保険選びをしていただけるよう、わかりやすく解説させていただきます。

この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー
長谷部 敦子(はせべ あつこ)

家族の看取り介護を経験したことをきっかけに、お金の知識の必要性を感じてFPの道へ。

自身もお金に苦手意識があったからこそ、社会保障や税の仕組みといった、難しく感じがちなことのわかりやすい解説が大変好評。

情報メディアへの執筆、セミナー講師の実績多数。手間なくお金の不安を減らす家計の見える化・仕組み化のサポートが得意。

目次

持病があっても入れる!限定告知型医療保険

持病とは、その人がすでに持っている慢性的な病気のことです。基礎疾患慢性疾患とも呼ばれています。

そんな持病がある方は、具体的にどんな医療保険に入れるのかをまずはみてみましょう。

持病のある方が選べる医療保険は3つ

持病のある方が選べる医療保険の種類は、大きくわけて

  • 通常の医療保険
  • 限定告知型の医療保険
  • 無選択型の医療保険

の3つです。

①通常の医療保険

持病や既往症があったとしても、健康状態によって通常の医療保険に加入できることもあります。また、特別条件がつくことで加入できる場合もあります。

特別条件には、

  • 支払う保険料の割増
  • 受け取れる給付金の削減
  • 特定の身体部位または疾病に対して給付金が支払われない特定疾病・部位不担保

などがあります。

②限定告知型の医療保険

通常の医療保険に比べて、健康状態に関する告知項目が少ない保険です。(保険会社によっては、引受基準緩和型と呼ばれるなど名称が異なることがあります)

保険会社によって違いはあるものの、3~5つ程度の告知項目についてクリアすれば、持病があっても医療保険への加入が可能です。

③無選択型の医療保険

契約時に健康状態に関する告知や診査が必要のない保険。

つまり、健康状態に関わらず医療保険に加入できます(職業や加入限度額などの制限はあり)。

ただし、加入しやすい分、保険料が割高になるため、短期間で保障額を支払保険料が超えてしまう場合も。

長谷部 敦子

また、一般的には加入から一定期間の病気に対しては保障対象外となる点にも注意が必要です。

3つの保険の特徴をまとめると以下のようになります。

加入条件さえクリアできるのであれば、保険料も安く、保障内容も充実している通常の医療保険に加入したいところです。

長谷部 敦子

ただし、持病があって通常の医療保険の加入条件を満たさない場合は、無選択型医療保険ではなく、まずは限定告知型医療保険を検討することをおすすめします。

\ まずはかんたん比較 /

なぜ限定告知型がおすすめなのか。ここからは、限定告知型医療保険の加入条件についてみてみましょう。

限定告知型医療保険の告知項目は3~5つだけ!

限定告知型医療保険は、健康状態に関する告知項目が通常の医療保険より少なくなっています。

長谷部 敦子

そのため、持病や既往症のある方も加入しやすい保険といえますね。

限定告知型医療保険では、一般的に以下のような内容を3~5つ程度問われます。

告知項目の例

  • 過去2年以内に入院または手術をしたことがある
  • 過去5年以内にがんで入院または手術をしたことがある
  • 現在入院中か、今後3カ月以内に入院または手術の予定がある
  • 現在、がんまたは肝硬変と医師に診断もしくは疑いがあると指摘されている
  • 現在までに公的介護保険の要介護認定を受けたことがある

必要な告知項目は保険会社によって異なるので、各社のホームページなどで事前に確認しておきましょう。

告知は絶対必要?持病を隠していたらどうなる?

医療保険に加入する際には、健康状態の告知内容加入の可否や保障内容に大きく影響します。

長谷部 敦子

なぜ、これ程までに健康状態の告知が重要視されるのでしょうか。

これは、健康状態が良くない方病気やケガをしやすい状況の方と、そうでない方とが同じ条件で保険に加入すると、公平性が保てなくなってしまうからです。

保険の仕組みを健全に保つためにも、加入時点で加入者の健康状態を保険会社が正しく把握しておく必要があります。

万が一、告知内容が事実と異なっていた場合、故意ではなかったとしても告知義務違反で契約を解除され、保障が受け取れなくなってしまう可能性もあるので注意が必要です。

次に、限定告知型医療保険のメリットについて、詳しくみてみましょう。

限定告知型医療保険のメリットは?

限定告知型医療保険には3つのメリットがあります。

限定告知型医療保険のメリット1:持病があっても保険に加入できる

先程紹介したように、保険会社が提示する3~5つ程度の告知項目がクリアできれば、持病や既往症があっても医療保険に加入することができます。

限定告知型医療保険のメリット2:持病の悪化・既往症の再発にも保障がある

通常の医療保険の場合、保険に加入できたとしても持病は保障の対象外となってしまうこともあります。

一方で限定告知型医療保険は、所定の条件を満たせば持病の悪化・既往症の再発も保障されるため、安心です。

限定告知型医療保険のメリット3:無選択型より保険料が抑えられる

医師の診査や告知を必要としない無選択型医療保険は加入のハードルが低くなる分、保険料は割高になります。

その点、限定告知型医療保険は限定的とはいえ、一定の条件をクリアしているので、無選択型医療保険よりも保険料を抑えることができます。

\ まずはかんたん比較 /

以上のメリットを踏まえた上で、限定告知型医療保険が向いているのはどのような方なのか、一緒に確認していきましょう。

限定告知型医療保険が向いているのはこんな方

通常の医療保険に加入できない方

医療保障の必要性を感じているのに、既往症や持病があることで通常の医療保険に加入できない方にとって、限定告知型医療保険は非常に心強い存在です。

持病への保障がほしい方

通常の医療保険に加入できるとしても、特定疾病・部位不担保などの特別条件付きの加入で、持病が保障対象外になってしまう可能性もあります。

持病に対しての保障を考えている方にとっては、限定告知型医療保険が向いています。

入院や手術から一定期間が経過している方

過去の入院や手術から一定期間が経過している場合、現時点では限定告知型医療保険の加入条件を満たしている可能性があります。

特に、無選択型医療保険に加入している方は、よりよい条件で保障を得られる可能性も高いので、定期的に加入条件を確認してみましょう。

限定告知型医療保険加入時に気を付けたい3つのポイント

最後に、限定告知型医療保険に加入する際に、押さえておきたい点をご紹介します。

一社がダメでも諦めない!まずは通常の医療保険加入をめざそう

通常の医療保険は限定告知型の医療保険と比べて、

  • 保険料を抑えられる
  • 保険期間や特約など、幅広い保障から選べる

といったメリットがあります。

長谷部 敦子

持病があったとしても、まずは通常の医療保険に加入できないかを確認しましょう。

また、通常の医療保険への加入を断られたとしても、1社だけですぐに諦めてはいけません。引受条件は保険会社によって異なるので、複数の保険会社に確認してみることが大切です。

ただし、通常の医療保険で特別条件がつく場合は、

  • 条件が許容できる範囲内か
  • 限定告知型医療保険の保険料と比較してどうか

を注意深く確認しましょう。

割高な保険料と必要性を比較しよう

これまで入れなかった医療保険に入れることがわかると、加入を急ぐ気持ちになるかもしれません。しかし、限定告知型医療保険は通常の医療保険と比べて、保険料が割高になる点は冷静に判断する必要があります。

長谷部 敦子

現在の預貯金や高額療養費制度などの公的制度も加味した上で、本当にご自身にとって必要な保障のかを考えましょう。

受け取り条件を確認しよう

限定告知型医療保険は「支払削減期間」が設定されているものがあります。

たとえば、支払削減期間が1年の場合、加入から1年間は給付金が50%になるのが一般的です。

支払削減期間が設定されていないものもありますが、その分保険料はさらに割高になります。

どういった場合に給付金が受け取れるのか、受け取れないのかをしっかりと確認しておく必要があります。

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まとめ:限定告知型医療保険は必要性と検討する順番に注意!

限定告知型医療保険は持病があっても医療保険に加入したい方にとっては心強い存在です。

とはいえ、保険会社にとっては給付金を支払う可能性が高くなる分、保険料や保障内容が通常の医療保険と比べると厳しくなることも。

加入を検討する際は、通常の医療保険→限定告知型医療保険→無選択型医療保険の順で、ご自身のニーズに合う保険を選ぶことを心掛けましょう。

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この記事を書いた人

長谷部 敦子(はせべ あつこ)のアバター 長谷部 敦子(はせべ あつこ) ファイナンシャル・プランナー

家族の看取り介護を経験したことをきっかけに、お金の知識の必要性を感じてFPの道へ。

自身もお金に苦手意識があったからこそ、社会保障や税の仕組みといった難しく感じがちなことをわかりやすくお伝えすることに好評をいただいています。

情報メディアへの執筆、男女共同参画センターなどのセミナー講師の実績多数。手間なくお金の不安を減らす家計の見える化・仕組み化のサポートを得意としております。

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