病気の種類や治療法で変わる!医療保険選びのポイントまとめ

(公財)生命保険文化センターが行った「生命保険に関する全国実態調査(2021年度)」によると、およそ90%の方が加入しているのが医療保険

荻野 奈緒美

病気やケガへのリスクにはまず公的保障制度を利用し、不足分を民間の保険で補うといった理由で加入されている方も多いのではないでしょうか。

しかし公的医療保険制度と違い、病気やケガの種類や治療法によって給付金が変わってくるのが民間の医療保険です。

ここでは、医療保険の基礎知識を学びながら、ご自身のライフステージにあった保険商品を検討していきましょう。

ちなみに医療保障の適切な金額目安については、以下の記事で詳しくまとめていますのでご覧ください。

目次

医療保険とは

医療保険とは民間の保険会社が取り扱う任意の保険となります。保障の内容は所定の病気やケガに対して、入院や通院、手術の給付金を受け取ることができます。

医療保険の給付金

入院給付金

病気やケガの治療を目的とした入院に支払われます。

1日5,000円や10,000円など、契約時に定めた日額×日数を受け取ることができます。

支払いの限度日数は決められていて、入院1日目または入院5日目など数日後から保障されるものや、日帰り入院でも保障されるなど、保障対象期間は様々です。

手術給付金

病気やケガで所定の手術を受けた際に支払われます。

手術1回につき定められた給付金を受けとる場合や、入院給付金日額の5倍、10倍、20倍など、給付倍率で設定されているものもあります。

通院給付金

病気やケガで入院した後、通院された場合に支払われます。

一般的には入院後の給付ですが、最近では入院日数が減っている傾向があることから入院前にも支払いがあるなど、通院に対する保障は手厚くなってきています。

入院後120日以内や180日以内といった保障対象期間が定められています。

医療保険の保険期間

医療保険の保障期間は保障が一生続くタイプと一定期間を保障するタイプがあります。

  • 終身医療保険・・・保障は一生涯続き、保険料は変わりません。
  • 定期医療保険・・・契約時に定めた期間ごとに更新されていきます。更新時には年齢に応じて保険料が上がります。

医療保険の種類

医療保険は病気やケガに対して入院、通院や手術への給付金が受け取れる一般的なものから、女性特有の病気を保障するタイプや、特定の疾病を保障するタイプ、持病がある方も保障するタイプなど、ご自身が不安とされている病気やケガの種類に対して様々な選択肢があります。

荻野 奈緒美

ではどのような種類の医療保険があるのか具体的に見ていきましょう。

がん保険

がん保険は、がんを起因とした入院や手術に対して給付金を受け取れる保険です。

がんと診断されたときに支払われる診断給付金、また保険料の支払いが免除されるといった商品もあり、保険料の負担がない中でがん治療に専念することができます。

特定疾病保障保険

特定疾病保障保険は「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」の三大疾病と言われる所定の状態になった場合に特定疾病保険金が受け取れます。日本人の死因として上位にあげられる疾病リスクに備えることができます。

女性向け医療保険

女性特有の病気の治療を目的とした入院、手術について給付金が上乗せで受け取れます。一般的な医療保険の場合、女性特有の病気まで保障の範囲にすると保険料が高めに設定されてしまいますが、女性向け医療保険の場合は、一般的な病気よりも女性特有の病気の方に給付金が上乗せで支払われるなど、手厚く保障してくれます。

限定告知型医療保険(引受基準緩和型医療保険・選択緩和型医療保険)・無選択型医療保険

医療保険に加入する際には健康状態を告知し、保険会社の引受基準を満たさなければなりません。持病や既往歴がある方は給付金を支払う可能性が高くなるため、通常の医療保険には加入できない場合があります。

限定告知型医療保険では、所定の告知項目に該当しなければ原則加入でき、無選択型医療保険に至っては告知なしで原則加入できます。

医療保険の特約

民間の医療保険の特徴として、自分に合ったオーダーメイドの保険に加入できることがあげられます。主契約とは別にオプションで下記のような特約がつけられ、保障範囲を広くすることも可能ですが、種類や名称は保険会社によって異なります。

種類一例

  • 特定疾病保障特約
  • 女性疾病特約
  • 先進医療特約
  • 生活習慣病特約
  • 長期入院特約 など

病気で働けなくなったときは?

病気やケガのリスクは医療費だけではなく、一定期間入院することによって収入が減ってしまうという家計リスクも発生します。そのようなときに備えるのが就業不能保険です。

就業不能保険

就業不能保険は、病気やケガなどで長期療養が必要になり働けなくなった場合に給付金を受け取ることができます。医療保険が入院や手術にかかる費用に備える保険だったのに対し、就業不能保険は病気が理由で働けなくなったときの減収リスクに備える保険です。

世帯主が長期療養で働けなくなったときは、家計に大きな負担がかかってきます。通院や療養にかかる費用だけでなく、生活費はもちろんのこと住宅ローンの返済中かもしれません。公的保障制度では傷病手当金や障害基礎年金、障害厚生年金など働けなくなった場合の保障はありますが、長引くリスクに不安も消えないことでしょう。

医療保障に必要な商品のまとめ

民間の医療保険は取り扱う会社によって保障が異なってきますので、選択肢が多いほど選ぶのは難しくなってきます。まずは、自分のライフステージを考慮した上で、主契約と特約を含めた商品の特徴をきちんと理解し、病気やケガへの備えを万全にしましょう。

執筆:2021年12月

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この記事を書いた人

WOWOWアナウンサーを経て、その後フリーに転身。NHKBS「週刊シティ情報」などを担当し、講演会・イベントでのMCなど多方面で活躍。

経済番組に出演したのをきっかけにFP資格を取得。

現在は中立なFPとして相談業務や執筆活動の他、ハウスメーカーや不動産会社にてセミナーやアドバイスも行っている。

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